ごぼうの栽培方法|中古農機具を活用した栽培・収穫方法を解説

ごぼうの栽培方法|中古農機具を活用した栽培・収穫方法を解説

2023.10.13

ビタミンB、ビタミンEや食物繊維など栄養価が非常に高いごぼう。

血糖値を下げる効果もあり、腎機能を向上させるなど様々な効果をもたらしてくれます。

そんな栄養豊富なごぼうですが、

「ごぼうを栽培してみたいけど、栽培方法がわからない」

「初心者でも簡単に栽培するにはどういう方法で栽培すればいい?」

本記事では、ごぼうの栽培から収穫までの方法を手順に沿って詳しく解説します。

また、本格的にごぼう栽培をしていきたい人にとっても、有益な情報も書いています。

他にも、本格的にごぼう栽培を始める方に向けて、中古農機具を活用した栽培・収穫方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

目次
  1. ごぼうの基本情報
  2. ごぼうの栽培時期
  3. ごぼうの栽培手順
  4. ごぼう栽培の注意点
  5. 中古農機具を活用したごぼうの栽培方法
  6. まとめ

1. ごぼうの基本情報

ゴボウ

シャキシャキとした食感で、料理によって様々な味わいに変化するごぼう。

炒め物から和物、汁物にも適応する万能型の野菜として、日本の食卓に馴染みのある野菜です。

そんなごぼうですが、実は食用としているのは日本ぐらいで、中国などのユーラシア大陸北部においては薬用として使用されています。

日本では、ごぼうを栽培する際どのような手順で栽培〜収穫するか知っていますか?

栽培地域の気候や環境によって、播種する時期も異なれば栽培する的確な涼も異なります。

基本的に、家庭菜園でごぼうを栽培するのであれば収穫までの日数は短く、収穫が楽な短根種の栽培をおすすめします。

というのも、ごぼうは根を耕土の真下に向かってまっすぐ成長するため、それなりの深さが必要になってきます。

ごぼうを栽培するには、耕土の深さも確保しなければなりません。

大きな畑でごぼうを栽培する場合は、長根種または短根種どちらの栽培でも問題ないでしょう。

ごぼうってどんな野菜?

ゴボウ

ごぼうと聞いて、まず思い浮かべるのは食物繊維が豊富だということでしょう。

便秘の解消にも効果的とされており、腸内環境を整えてくれる役割もあります。

ごぼうを使用した代表的な料理は以下になります。

  • きんぴらごぼう
  • ごぼうのピリ辛和え
  • 豚汁

厚生労働省によると、日本人の栄養摂取基準率(2015年版)によると、食物繊維の1日あたりの摂取量の基準は、18-69歳の男性で20g以上、女性で18gとされています。

ごぼうの100gあたりに含まれている食物繊維量は5.7gも含まれています。

食物繊維も豊富ですが、ビタミンB、Eも含まれているので効率的に栄養価を接種したいのであればごぼうはおすすめです。

ごぼうの栽培環境

ゴボウ

近年、家庭菜園でごぼうを栽培する人も多くなってきました。

もちろん、家庭菜園でもごぼうを栽培することは可能です。

ただし、以下の条件が整っている場合に限ります。

  • 最低60センチほどの深さのある耕土を用意

ごぼうは、播種してからまっすぐ下に向かって根を伸ばしていきます。

長さは品種によって異なりますが、最低でも60センチの深さは確保しておきましょう。

家庭菜園で少量しか栽培しないのであれば、袋の中に土を入れて栽培する「袋栽培」がおすすめです。

袋栽培であれば、深さも確保され市販で販売されている培養土をそのまま入れて使用できるので簡単に栽培できます。

畑での栽培を考えている場合、専用の機械を使用し播種するのがおすすめです。

後述しますが、ごぼうの種は非常に小さく栽培量が多い場合手作業で種をまくには、多くの時間と労力が必要。

栽培量に適した方法で、ごぼうを栽培・収穫しましょう。

2. ごぼうの栽培時期

「ごぼうっていつ種をまくのがいい?」

「収穫の時期は?」

と悩んだことはありませんか?

ごぼうは、短根種と長根種に分かれておりそれぞれ栽培期間は異なります。

栽培するごぼうがどちらなのか、栽培する前に把握することが必要です。

そして、一番大事なことは栽培する地域の気候にあった時期に播種すること。

ごぼう栽培には、発芽するための条件などがあるので気候を知った上での栽培が絶対条件です。

栽培期間

ゴボウ

ごぼうの栽培期間は、短根種で100日程度なので5月上旬に種をまいた場合、8月中旬頃には収穫できる計算になります。

長根種の場合、栽培期間が150〜160日程度なので5月上旬に種をまいた場合、9月〜10月上旬には収穫できます。

ですが、ごぼうは栽培地域や作型によって種をまく時期が異なります。

種を秋に播く場合、9〜10月に播種して冬を越し翌年の6〜8月に収穫します。

ただし、秋まきをする時に注意しなければいけない点があります。

それが「トウ立ち」です。

播種する時期が早すぎてしまうと、春までにトウ立ちがおこってしまい味の仕上がりが落ちてしまいます。

収穫の時期

ゴボウ

北海道のような寒冷地では、秋まきをしてしまうと寒すぎて冬を越えられないため必然的に春まきになってしまいます。

そのため、5月頃に播種した場合収穫する時期は9月〜10月上旬になります。(短根種の場合)

本州のような冷涼地では、秋まき栽培も可能で実施している農家さんも非常に多いです。

そのため、ごぼうは年中スーパーや市場に出回っているのです。

地域の気候にあった時期に播種するようにしましょう。

3. ごぼうの栽培手順

ごぼうの播種〜収穫までの栽培手順を解説します。

栽培環境によって栽培時期が異なるので、その点を踏まえて参考にしてください。

本記事では、以下の条件での白菜栽培手順を紹介します。

  • 栽培地域:北海道
  • 栽培時期:春まき
  • 栽培環境:畑に直播

畑づくり

ゴボウ

北海道でごぼうの栽培をする場合、秋まきだと冬の寒さを乗り越えられないため春まき栽培となります。

種を播くのは、雪が畑から溶け畝を作った後の4月中旬ごろ。

畑の土を「パワーハロー」で畑の土を均一に細かくして畝を作りやすい状態にします。

ごぼうを播く畑にパワーハローをかけ終えたら、次に畝立て機で畑に畝を作ります。

畝立て機は、手で押しながらのものとトラクターで牽引しながらの2種類に分かれます。

では、どちらの方法で畝を立てればいいのでしょうか?

結論は以下の2点です。

  • ごぼうの栽培量が多いのであればトラクターで畝をたくさん立てる
  • ごぼうの栽培量が少量で畑が小さいのであれば、手で押しながら畝を立てる
  • 家庭菜園で栽培するのであれば、手で土を寄せ集め畝を立てる

トラクターで畝を立てる場合、一度に4列ほどの畝を立てられます。

大きい畑で野菜の栽培量が多い農家さんは、トラクターで牽引しながら畝をたてる人が多いです。

手で押しながら畝を立てる場合は、一度に1列しか畝を立てられません。

ごぼうを栽培する量と、栽培する場所の大きさによって畝立て機は異なります。

播種

ごぼうの種の発芽最低温度は10℃で最適温度は20°〜25℃と言われております。

しかし、15℃以下や30℃以上だと発芽しない可能性があるので注意しましょう。

播種する際は、上記の最適温度で栽培することに注意しながら土壌水分があるうちに種を巻きます。

そのため、種を播く前には事前に土壌に水をまいておき、水分を確保した状態にしなければなりません。

水分が十分に蓄えられた状態で播種すると、10日〜15日程度で発芽します。

栽培量が少ない場合は、水やりから播種まで全て手作業ででき、手間も時間もそれほどかかりません。

北海道では大きい畑にごぼうをまく場合が多く、手作業では限界があります。

そのため、ごぼう専用の「ごぼう播種機」を使用。

ごぼう播種機にも、手で押しながら種をまくものと、左席が用意され運転しながら種をまくものの2種類があります。

効率的に畝に沿った播種作業をするのであれば、手作業よりも播種機を使用しましょう。

管理作業

ゴボウの間引き作業

一株あたりに複数播種した場合、間引き作業をしましょう。

成長するにつれ葉が横に倒れていたり、横に曲がってしまったものがあれば真っ直ぐ育っているものを残しましょう。

また、パオパオやビニールなどでベタがけをするのであれ播種後すぐに行うように。

管理作業で一番手のかかる作業が「除草作業」です。

除草作業は、ごぼうに限らず野菜栽培において避けては通れません。

栽培量が少ないのであれば、くわを使用したり手作業で十分ですが大きな畑では時間がかかりすぎます。

この時に便利な除草機が「カルチ」です。

カルチとは、トラクターの後ろに牽引した除草専用の機械。

トラクターに乗りながら一度に4列の畝を除草できるので、圧倒的時短作業になります。

北海道の農家さんは、カルチを導入し除草作業を行っている人が多いです。

収穫

葉茎処理機

ごぼうを収穫する前に大きく育った葉を切り落としましょう。

この時に使用するのが「葉茎処理機」です。

トラクターで牽引しながら葉茎を根元から切り落とし、収穫しやすい状態にしてくれます。

栽培量が少ない場合は、カマを使用して切り落としましょう。

葉茎を切り落としたら収穫作業に入ります。

ごぼうは畝の下に向かって長く育っているため、手で抜くには相当な力が必要。

手で掘り起こして引っ張ろうとしてもなかなか抜けず、力任せでやってしまうと途中で折れてしまうリスクもあります。

力を最小限に効率良く収穫するために誕生したのが「ごぼうハーベスター」です。

こちらは、トラクターで牽引し畝を鉄の爪のようなもので掘り起こし、ごぼうをベルトコンベアに自動で収穫してくれる機械です。

この機械を使用すると、ベルトコンベアに流れてきたごぼうを2,3人でコンテナなどに移し替えるだけで済み、収穫スピードも圧倒的に手作業よりも速いです。

細いごぼうや畝に対して斜めに育ってしまったごぼうは、ごぼうハーベスターで収穫しきれないことがあるので、一人後ろで確認しながら作業することをおすすめします。

4. ごぼう栽培の注意点

ゴボウを引き抜く

ごぼう栽培に関する注意点を2つ紹介します。

この2つを注意しないままごぼうを栽培してしまうと、発芽時期が遅れてしまったり十分な収穫量を見込めないリスクがあります。

必ず意識して栽培するよう、ここで確認しておきましょう。

播種時期を間違わない

播種する時期を間違えてしまうと、発芽時期が遅れてしまったり発芽しない可能性があります。

ごぼうには発芽の最適温度があり、その最適温度に合わせた時期に播種するのが重要なんです。

そのため、北海道のような寒冷地と本州のような冷涼地では栽培時期が異なります。

栽培する地域の気候、気温を把握し栽培時期を間違わないよう気をつけましょう。

地域の気候にあった栽培をする

ゴボウ畑

気候を無視して栽培してしまうと、収穫量が減ってしまうどころか収穫できるほど実らない可能性があります。

例えば、北海道でごぼうを栽培するのに、気候のことを何も知らずに秋まきで栽培したとしましょう。

ごぼうの発芽温度と北海道の秋冬の温度は大きく異なるので、発芽せず冬を越してもごぼうは大きく実りません。

地域の気候に合ったごぼうの栽培をしましょう。

5. 中古農機具を活用したごぼうの栽培方法

今回ご紹介したごぼうの栽培から収穫までの過程で、いくつかの農機具が登場してきました。

種の数が多かったり人手が必要な人は、農機具を導入して効率良く栽培するのはいかがでしょうか?

しかし、農機具の新品価格は車が買えてしまうほど高く販売されているものもあります。

そんな簡単に手を出せるものでもないので、結局買えずに人手不足や栽培量を減らしている人も少なくありません。

そんな悩みを解消してくれるのが、「中古農機具」の活用。

市場には、多くの中古農機具が出回っており、新品では高くて手が出せない農機具でもリーズナブルな価格で販売されています。

今回のごぼう栽培だと、畝を立てる「畝立て機」や除草作業に役立つ「カルチ」、大きく育った葉茎を切る「葉茎処理機」と収穫を効率的に行う「ごぼうハーベスタ」などがあります。

ごぼうの栽培量を増やしたい人や、ごぼう以外の野菜もやってみたい人はぜひ導入を検討してみてください。

6. まとめ

収穫したゴボウ

本記事では、ごぼうの栽培〜収穫までの方法を手順に沿ってご紹介しました。

ごぼうは、発芽温度がとても大事で地域によって最適な播種時期が異なります。

栽培する土地に適した方法で、美味しいごぼうを収穫しましょう。

この記事の監修者
田中和男
田中 和男
卒業後、地元のJAに就職し30年以上農機センターで勤務。 定年退職後、自ら中古農機事業を立ち上げて地元を中心に販売・買取やレンタルを行う。 農業機械1級整備士の資格あり。 自らも兼業農家として実家の農業を50年近くやっています。