農機具のハーベスターとは?コンバインとの違いや選び方について

農機具のハーベスターとは?コンバインとの違いや選び方について

2025.03.28

農業の機械化が進む中で、収穫作業を効率的に行うために欠かせないのが「ハーベスター」と「コンバイン」です。どちらも作物を収穫するための機械ですが、それぞれ異なる特徴を持っており、構造・仕組み・用途にも違いがあります。

2つとも多くの農家が使用している代表的な農機ですが、これら農機の違いを明確に説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか?どちらの機械を選ぶかが収穫効率に大きく影響を及ぼすこともありますので、違いを正しく理解しておきましょう。

この記事では、農機具のハーベスターとは何なのか、コンバインとの違いや選び方について詳しく解説していきます。

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農機具のハーベスターとは?

ハーベスターとは

ハーベスターとは、農作物の収穫作業を効率化するための農業機械であり、その名称は「Hervest(収穫)」に由来しています。この農機は、特定の作物の収穫に特化しており、作物の種類や収穫方法に応じてさまざまなタイプが存在します。

例えば、ビートハーベスターは、ビート(テンサイ)の収穫に特化した大型の農機で、畑から熟したビートを効率的に収穫できるように設計されています。また、穀物用ハーベスターは、稲やトウモロコシなどの穀物の収穫に使用され、脱穀や選別の機能を備えています。

ハーベスターには、自走式と牽引式の2種類があります。自走式はエンジンと駆動装置を搭載しており、大規模な農場での使用に適しています。 一方、牽引式はトラクターに牽引させるタイプで、小規模な農場での使用に適しています。

ハーベスターを導入することで、収穫作業の効率化が図られ、農作業の負担軽減や生産性の向上に繋がるでしょう。ただし、機種や用途によっては高額な初期投資が必要となる場合もあるため、農場の規模や作物の種類に応じて適切なハーベスターを選ぶようにしましょう。

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[ハーベスター]と[コンバイン]の違いについて

コンバインとハーベスターの違い

農作業において効率化を図ることは、とても大事なことです。「ハーベスター」や「コンバイン」は、収穫作業を支える主要な機械として広く利用されていますが、この2つの農機は、混同されがちです。
続いては、2つの違いやそれぞれの特徴について解説します。

ハーベスター

ハーベスターとは、特定の作物の「収穫」に特化した農業機械のことです。収穫作業を機械化することで、農家の負担を軽減し、効率を向上させる役割を果たします。ハーベスターにはさまざまな種類があり、それぞれの作物に適した形状や機能を備えています。

例えば、ジャガイモ用のハーベスターは、土の中からジャガイモを掘り起こし、不要な土や茎を取り除きながら回収する仕組みになっています。林業用のハーベスターも存在し、木の伐採から枝払い、玉切り(適切な長さに切る作業)までを行うことができます。

このように、ハーベスターは「収穫」に特化していますが、コンバインのように「刈り取り」から「脱穀」までを同時に行うことはできません。コンバインは一度の作業で収穫を完了できますが、ハーベスターは収穫後に別の工程を経る必要がある場合があります。

日本では、稲作農家がバインダーと組み合わせてハーベスターを使用することが一般的です。 刈り取った稲を脱穀部分へチェーンで送り込ませる必要があるため、手作業が必要になります。

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コンバイン

コンバインとは、収穫作業における複数の工程を、一度に行うことができる多機能な農業機械のことです。

具体的には「刈り取り」「脱穀」「選別」を一連の流れで行うことができます。そのため、コンバインは「複式収穫機」とも呼ばれています。

コンバインは、特に穀物の収穫において、その効率性を発揮します。日本の稲作に適した自脱型コンバインは、日本の水田環境や稲作に適応するように設計されており、刈り取りから脱穀、選別までを一貫して行うことができます。

コンバインの導入により、収穫作業の大幅な省力化が可能となります。 一台で複数の工程を処理できるため、作業時間の短縮や人件費の削減に寄与します。 また、作業の効率化により収穫時期を逃さず、作物の品質を維持することができるでしょう。

しかし、コンバインは高機能である分「価格が高い」という大きな問題があります。機種や状態にもよりますが、コンバインはハーベスターの数倍近く高いです。また、そのサイズや重量から、広い農地や平坦な地形での使用が推奨されます。

近年では、小規模農地や山間部でも使用可能なコンパクトなコンバインも登場していますが、導入の際は農地の規模や地形、経済的な状況を考慮する必要があるでしょう。

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ハーベスターを選ぶ際の留意ポイント

ハーベスターを選ぶ際の留意ポイント

ハーベスターの機種選びは、農作業の効率と成果にそのまま直結するため、慎重に考えてから決める必要があります。以下では、ハーベスターを選ぶ際に考慮すべきポイントを3つ紹介しています。

1. 作物の種類に適しているか

ハーベスターは、収穫する作物の種類に応じて、最適な機種を選ぶ必要があります。

例えば、米・小麦・大豆・ニンニク・サトウキビ・トウモロコシなど、作物ごとに適切なヘッダータイプが異なります。適切な機種を選ぶことで収穫効率が向上し、作物へのダメージも最小限に抑えることができます。

2. ハーベスターのパワー

エンジンの出力(馬力)は、ハーベスターの性能に直接影響します。

高密度の作物や大規模な農地を効率的に収穫するためには、十分なパワーを持つハーベスターが必要です。 ただし、過剰なパワーは燃料消費の増加につながるため、農場の規模や作物の特性に合わせて適切な出力の機種を選択することが大切です。

3. 予算と機能のバランス

ハーベスターの価格は、搭載されている機能や技術によって大きく異なります。

最新のシステムが搭載された機種や、高度な技術が搭載された新モデルは高価になる傾向にあります。農場の規模や運用計画に合わせて、必要な機能と予算のバランスを考慮し、最適なハーベスターを選びましょう。

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ハーベスターは、機種によって農作業の効率と収穫の質が大きく変わります。
最新の技術を搭載したハーベスターは、作業の自動化や精度の向上など、農家の負担を軽減してくれます。以下では、評価や口コミを参考にした最新のおすすめハーベスターをご紹介します。

1. JD-S700シリーズ

ヤンマーのJD-S700シリーズは、最新の自動化技術を搭載したハーベスターとして高い評価を受けています。 自動調整機能により、作物の状態や収穫条件に応じて最適な設定が可能で、収穫効率と品質を向上させます。

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2. CR Revelationシリーズ

ニューホランドのCR Revelationシリーズは、ツインローター技術を採用し、高速かつ高品質な収穫作業を実現しています。特に、穀物の損失を最小限に抑える設計が評価されており、大規模農場での導入が進んでいます。 さらに、快適なキャビン設計や直感的な操作パネルも好評です。

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3. LEXION 8000シリーズ

 CLAASのLEXION 8000シリーズは、大容量のグレインタンクと高性能なエンジンを搭載し、大規模農場での長時間作業に適しています。 最新のテレマティクス技術により、リアルタイムでの作業データの取得と分析が可能で、農業経営の効率化を図ります。

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まとめ

今回は、農機具のハーベスターとは何なのか、コンバインとの違いや選び方について解説してきま

ハーベスターは特定の作物の収穫を効率化する農業機械であり、用途や機能によってさまざまな種類が存在します。自走式と牽引式があり、農場の規模や作物の種類に応じて適切なものを選ぶことが重要です。

一方、コンバインは刈り取り・脱穀・選別を一度に行う多機能な農業機械であり、作業の効率化に優れていますが、高額な導入コストがかかります。

ハーベスターを選ぶ際は、

「作物の種類に適しているか」
「ハーベスターのパワー」
「予算と機能のバランス」

これらに考慮して慎重に選ぶようにしましょう。

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