収穫した野菜をInstagramに投稿する女性

農業者のためのSNS活用法~ファンを増やし、販売を伸ばすコツ~

2023.10.22

SNSとは「ソーシャルネットワーキングサービス」の略で、facebook、Instagram、LINE、ツイッターXなど、利用者同士がさまざまな形で交流できるWEB会員制サービスのことです。

農業経営においてSNSは、単なるコミュニケーションツールを超え、マーケティング、ブランディング、情報収集、そしてコミュニティー形成のための軸として多岐にわたる役割を果たしており、新しい顧客層を開拓する手段として、また、既存の顧客とのコミュニケーションを深めるツールとして、非常に効果的で今や誰もが当たり前に利用しています。

何より魅力なのが使用料金も基本無料であるということ。

登録さえ済ませば、個人のプロフィールや写真、日記を通して自分の活動を世界に向けて発信することができ、見ず知らずの方々とも交流できるので、スマホ一台あれば、家にいながら友人と交流したり、事業を進めることができるのですが、より多くの人にリーチし、自分のファンを増やすためにはSNSの仕組みを理解し、戦略的に投稿を行う必要があります。

今回はそんなSNSをどのようにすれば農業に有効に活用できるかを考えてみたいと思います。

目次
  1. 自分が発信基地に?農業をSNSで発信し、ファンを増やす国内で人気のツール
  2. これからSNSを始める人のためのInstagram活用してファンを増やし、販売を伸ばすコツ
  3. どんな投稿すれば注目される?注目されやすい農家の投稿6選
  4. まとめ

自分が発信基地に?農業をSNSで発信し、ファンを増やす国内で人気のツール

今や農家さんもまたSNSを通じて、農作業の様子や自分が作った農産物の写真を発信し、顧客の獲得に繋げています。

主要SNSは、LINE、facebook、Instagram、X(Twitter)の四つで、それぞれが特徴を持っております。

LINE(ライン)の特徴【利用者:国内9500万人/全世界1億9900万人】

LINEのイメージ

今や日本においてはLINEで連絡を取り合うのが当たり前になってきているようで、国内利用者数は約9500万人(2023年6月現在)と、日本で普及してるSNSの中で最大の利用者数を誇るツールです。

チャット型の機能がメインであることから、個人間やグループ内の会話が他の人に公開されることがないのがオープン型のSNSとの大きな違いです。

この特徴を活かし、自分たちの事業や商品に関心を示し、レスポンスがあった顧客に対してさまざまな情報を提供して信頼関係を築き、販売に繋げる「ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)」という手法との相性がいいのも特徴で、自らの販路を拡大するためのDRMに活用しやすいと言えます。

Twitter Xの特徴【利用者:国内4500万人/全世界3億3300万人】

Twitter(X)のイメージ

LINEについで2番目に利用者の多いSNSで、オーナーのイーロン・マスク氏が主導し、Twitterは2023年に名称を「X」に改めました。

20代の利用が最も多いですが、幅広い年齢層の人々に利用されており、利用者の平均年齢は36歳となっています(2020年12月発表)。

投稿に140字の文字数制限があることで一言からでも気軽に投稿できるという点で、日常のつぶやきから、農作物のプロモーション、農法を伝えるコンテンツまで文字数制限の中で投稿できます。

また、匿名性が強く本名で利用するユーザーが少ないことも特徴の1つで、フォロワーの数が影響力のバロメーターにもなり、記事をリツイートされることで、人から人へ爆発的に拡散されることもあります。

Instagramの特徴【利用者:国内3300万人/全世界10億人】

Instagramのイメージ

Instagram(インスタグラム)とは、「Instant Telegram」という言葉を略した造語で、「その場ですぐ発信できる電報のようなサービス」という意味を込めて名付けられた、写真や動画などをメインに投稿できるSNSの1つです。

国内でも非常に人気の高いSNSの1つですが、Twitter Xと比べると拡散性が低い分、アルゴリズムを意識した投稿や、Facebookなど他のSNSとアカウントを連携することで拡散性を高められるSNSで、農業従事者の中でもInstagramを活用して成果を上げている人が多いです。

ユーザーは若干女性が多い傾向がありますが、とくに10~20代の若年層の利用率が高く、10~40代まで幅広く利用され、50代以上のユーザーは少ないのも特徴です。

Facebookの特徴【利用者:国内2600万人/全世界30億3000万人】

Facebookのイメージ

ハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグによって2004年に運営が開始され、海外でのユーザー数はずば抜けて多いのが特徴で、他のSNSと違って実名登録制のため、実生活に根付きやすく、友人とのコミュニケーションも取りやすいのが特徴です。

ただ、日本国内ではユーザー数が主要なSNSの中で最も少なく、特に10代の利用は至って少ないですが、30~60代の利用率が非常に多いのも特徴で、狙うべきターゲットによっては有効です。

それ以外のSNS

日本でも若者を中心に1700万人が利用する動画投稿サイトTikTokは全世界で10億人が利用していますが、これからは農家も動画の投稿が注目を集めるかもしれません。

またビジネスに特化した登録者数9億5000万人のLinkedInも、日本では300万人が登録するばかりで今ひとつ普及していません。

あと、海外では20億人が利用するWhatsAppも日本ではほとんど利用者がおらず、価値は低いでしょう。

これからSNSを始める人のためのInstagram活用してファンを増やし、販売を伸ばすコツ

近年、SNSの利用が一般的になり、多くの業界でマーケティングやPRの手段として活用されていますが、特に農業の現場でもSNSの活用が進められており、中でもInstagramが注目されています。

フォロワーが1000人を超えるとライトインフルエンサーと呼ばれ、それまでと比べて発信力や影響力がグンと高まります。

これからSNSを始めようとしている農家の皆さんには、写真がメインで、しかも自分のアカウントがInstagramに気に入ってもらえるコツがわかれば確実に露出が増えるInstagramに挑戦するのがおすすめです。

農家がInstagramを活用すべき3つの理由

「農業とインスタ、本当に合うの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

しかし、次のような理由から、Instagramは農業PRに非常に適しています。

ユーザーが増え続けている

2020年に10億人を突破したユーザーは2021年には12億人を突破し、2025年には14億人を超えると予想されているInstagramは国内でもユーザーが増えていくことが予想されています。

消費者の視覚に訴えることができる

農産物の鮮度や色鮮やかさ、農地の美しい風景など、視覚的に魅力的な要素が多い農業において、Instagramは最適なツールと言えるでしょう。

ショップ機能が搭載されている

Instagramの投稿画像に「商品タグ」をつけて、直接ネットショップへのリンクを設定できるので、ユーザーは数タップで商品の購入ページにアクセス可能となり、投稿で紹介された農産物をすぐに購入することができます。

さらに、プロフィール画面の「ショップを見る」ボタンからは、タグ付きの商品を一覧で確認できるため、まるでオンラインショップを閲覧しているような感覚で農産物や関連商品の販売を効果的に促進できます。

Instagramで人気のアカウントにするための2つのコツ

もしもあなたのアカウントがInstagramで評価されると、以下の3つの機能によって上位表示される可能性が高くなります。

  • フィード(ユーザーのホーム画面)
  • 発見ページ(虫眼鏡のアイコンのページ)
  • 検索結果ページ

もしあなたの投稿が上位表示されると急速に閲覧数が増え、フォロワー数を伸ばすことができます。

Instagramで人気を得るには、どうすればいいのでしょうか?

そのためのバロメーターは、主に以下の二つです。

1. 読者の滞在時間

滞在時間はユーザーが投稿をどれだけの時間見ているかを示すもので、滞在時間が長ければ長いほど、その投稿はユーザーにとって有益と感じられている可能性が高いと皆様れます。

農業の情報を発信する際には、写真や動画にも工夫を加え、ストーリー機能なども活用してユーザーが長く留まりたくなるような魅力的な内容を心がけましょう。

ユーザー滞在時間のイメージ

2. エンゲージメント率

閲覧者からいいね!やコメント、保存など、いわゆるエンゲージメントを得るためにはターゲットとなるペルソナ(典型的なユーザー像)を明確に設定し、そのペルソナが求める情報を魅力的なデザインで発信することが重要です。

農業の魅力を誰に向けて発信するかを常に意識しましょう。

SNSでのエンゲージメントのイメージ

フォロワーを増やすために有効なInstagramの鉄則8選

実際にInstagramに投稿する時、どのようなことに注意をすればいいのでしょうか?

多くの人にリーチしフォロワーを増やす記事を投稿するポイントは多岐に渡りますが、主なものを8つの項目にまとめてみました。

1. 特定のテーマやコンセプトの明確化

Instagramでフォロワーを集めるためには、Instagramの検索エンジンに自分のアカウントを正しく認識してもらう必要があり、そのためには専門性をしっかり打ち出す必要があります。

自分は農家であり、農産物や農業技術、地域の魅力などコンセプトをはっきりした投稿ばかりを発信し、それ以外の投稿は一切しないことでアカウントの専門性を明確にすることが重要です。

2. 適切な頻度での投稿

Instagramの通常投稿の適切な頻度は、2〜3日に1回程度と言われています。

ユーザーは、量ではなく「質」を求める傾向にあり、仮に投稿頻度が多すぎると「鬱陶しい」と思われる可能性があります。

逆にあまり更新していないと発見タブに掲載されなくなってしまうようです。

定期的に情報をアップデートすることで、フォロワーの関心を維持し、またアクティブなアカウントであることがInstagramから認められると評価が高まり、露出が多くなるので、新しいフォロワーを引きつけやすくなります。

3. 高品質な写真や動画の利用

「インスタ映え」という言葉もあるように、農産物の鮮度や色鮮やかさ、農地の美しい風景などを高品質な写真や動画で伝えることが求められます。

スマホで写真を撮る場合も、ポートレート機能を使ったり、テキスト機能を使って写真にコメントを書いたり、スタンプを押すなどデコレートすることで、視覚的魅力を高めることができ、注目を集めることができます。

4. ストーリー機能の活用

ストーリーズ(Stories)は一般に「ストーリー」と呼ばれ、スライドショーのように動画や画像をフルスクリーンで投稿できるインスタの機能です。

ストーリーの長さは60秒まで、投稿後24時間が過ぎると削除されるので、1日1回以上の投稿頻度がおすすめです。

日常の農作業の様子や収穫の喜び、季節の変化など、リアルタイムの情報をストーリー機能を使って共有することで、フォロワーとのつながりをよりリアルに深めることができます。

5. ハッシュタグの効果的な利用

ハッシュタグとは、Instagramで投稿するときに、テキスト部分に入力する「#」をつけたキーワードのことです。

農業や農産物に関連するハッシュタグを使うことで、興味を持つユーザーに自分の投稿を見てもらいやすくなり、またそれぞれの投稿のハッシュタグをタップすれば、同じハッシュタグがついた投稿を一覧で見られたり、ハッシュタグ自体をフォローする機能もあり、自分の欲しい情報を手に入れたり、自分から発信したい情報を、求めているユーザーに見てもらいやすくできるのです。

6. 戴いたアクションにはこまめにリアクションを返す

フォロワーや他の農家と積極的なコミュニケーションをとることで、情報交換や相互フォローを促進し、フォロワー数の増加につなげることができます。

SNSを通じてお互いに意見を言い合ったりする仲間が増えると、さまざまなアイデアが生まれたり、自分の活動に活かすことができ、そのためにはコメントやいいね!をくれた人に対してはこまめにリアクションすることが肝要です。

7. お役立ち情報提供型の投稿を意識する

フォロワーを増やす秘訣として、「誰かのためになる情報や、悩み事を解決する情報を発信している」ことが挙げられます。

農業技術や農産物の栽培方法、季節ごとの作物の選び方や美味しい食べ方など、有益情報の提供や教育的な内容の投稿を心がけることで、フォロワーからの信頼を得ることができます。

8. 結果に対して分析を行う

SNSへの投稿を始めると、どのような投稿への反応が良いのか検証する必要があります。

リアクションの多い投稿はどういうものかを分析を行うことで、より多くの方々に注目してもらうコツがわかるようになり、効果的な利用法に繋げていくことができます。

どんな投稿すれば注目される?注目されやすい農家の投稿6選

SNSを活用してファンを増やし、販売を伸ばすためには、どのような投稿をすれば良いのか迷うこともあるでしょう。

自分が興味を持つSNSアカウントの投稿を参考にすることで、新しいアイディアやヒントを得ることができますし、他の分野の投稿から学び、それを農業の世界に取り入れることで、独自性のある魅力的な投稿を生み出すことができます。

農家さんが効果的な投稿を書くためのポイントとしてSNS活用方法をご紹介します。

1. 農業や農産物に込める想い

各農家には、土地や作物への深い愛情や誇りがあり、代々受け継がれる伝統的な技術と新しい方法を融合させ、最高の農産物の生産を目指しています。

また、天候や土壌との調和を図りながら、最良の状態での収穫を追求しています。

農産物の背後にある物語を知ることで、農産物の魅力を多くの人に伝えることができます。

2. 田畑の風景

農業は自然との共生の中で進行し、都会の喧騒から離れ、畑の四季折々の美しい風景は多くの人々の心を癒し、農業の魅力を伝える最良の素材です。

加えて農家の日々の努力や愛情が田畑の風景には滲み出ており、これをSNSで発信することで農業の奥深さを感じることができ、消費者との信頼関係を深めることができます。

3. 育てている農産物の成長の様子

種から芽が出て、実が成熟するまでの過程は、農家の情熱と努力の象徴であり、自然の美しい奇跡を共有することで、農産物の真の価値を理解し、農家との信頼関係が深まります。

4. 農家さんの食卓

農家さんの食卓は、新鮮な地元の食材と受け継がれてきた家族の伝統が交差する場所だというイメージが強くあります。

収穫したての野菜や果物、四季折々の旬の食材を使った料理は、季節の移り変わりとともにSNS上でも注目を集めるでしょう。

特に地域や家族独自の伝統料理のレシピをSNSで共有することで、農家の日常や価値観を伝え、顧客との信頼関係を築くことにも有効に働く可能性があります。

5. 季節のイベントや祭り

日本の四季は、それぞれ独特の風情と共に、数々の伝統的なイベントや祭りを持っています。

これらのイベントは、日本の文化として世界中から注目を集める可能性があり、四季の美しさと共に地域で行われる行事は多くの人々の注目を集め、愛されるはずです。

6. 農業技術や知識のシェア

農業の技術や知識は日々進化しており、SNSの活用により、ワークショップやセミナーでの実際の技術共有、農業専門書の出版、新技術のデモンストレーションなど、農家間や消費者との情報交換が盛んになって新しい技術や手法が広まっています。

技術や知識のシェアを通して農業の最前線を発信することができれば、読者からの注目度も高まり、フォロワーが増えていく要因にもなります。

まとめ

SNSの普及に伴ってテレビや新聞などの既存メディアの価値は下がり、SNSをうまく活用する人たちが成果を上げていく時代になりました。

あらゆる商品のマーケティング戦略にSNSは欠かせない時代になり、資金をかけずに大きな利益を得ることができるこのツールをいかに使いこなすかによって、事業の成否が大きく違ってきます。

農業従事者としての日常や作業の様子、収穫の喜びなどをSNSで発信すれば、農業の魅力に共感する人が増えます。根気強く発信を続けていくことで、ファンが増えて消費者との信頼関係を築くことができ、販売を伸ばすことができるのです。

ツールの特徴と便利さを理解し、農業においても結果につなげていただけたらと思います。

農業従事者がSNSを活用する時代
この記事の監修者
名木イサム
名木 イサム
淡路島の農家の長男。舞台俳優として国内外の公演に参加。「藝術」の「藝」は「種を蒔き育てる」の意味で、「カルチャー」は「耕す」を意味するラテン語が語源だからして現在、実家でアグリカルチャー(農業)に向き合いながら執筆活動を展開中。