庭木の手入れやDIY作業など、様々な場面で活躍する電動チェンソー。プロの現場だけでなく、一般家庭でも広く使われるようになり、ホームセンターなどで手軽に購入できるようになりました。
便利な道具ですが、使い方を誤ると大きな事故につながる危険性もあります。そこで気になるのが「電動チェンソーを使うには資格が必要なのか?」ということです。もし資格が必要なのだとしたら、取得の難しさや手続きの方法などが気になるところですよね。
この記事では、電動チェンソーの使用に資格は必要なのか詳しく解説していきます。最後まで読むことで、あなたの疑問が晴れるはずです。
- [目次]
電動チェンソーの使用は資格は必要?

電動チェンソーの使用には資格が必要なのでしょうか?
電動チェンソーを使用する際は、大きな事故につながる危険が伴うため、正しい知識と技術を身につけて安全に作業を行う必要があります。
電動チェンソーの使用において資格は、必要な場合と不要な場合があるのです。どのような場合に資格が必要で、どのような場合は不要なのでしょうか?以下では、資格が必要な場合と不要な場合について詳しく解説しています。
資格が必要な場合とは
電動チェンソーの使用において資格が必要なのは、「業務として使用する場合」です。チェンソーを業務内で使用する場合は、労働安全衛生法に基づいて「特別教育」の受講が義務付けられています。
これは、林業や建設業、造園業など、仕事でチェンソーを使用する全ての場合に適用されるため、森林伐採作業・木材加工・建設現場での木材切断・庭木の剪定作業などを業務として行う場合は、必ず特別教育を受講しなければいけません。この特別教育では、伐木等作業やチェンソーに関する知識、点検方法など、チェンソーを安全に使用するために必要な知識と技術を学びます。
特別教育を受けていない状態で業務としてチェンソーを使用した場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。安全に作業をするためにも、業務でチェンソーを使用する場合は、必ず特別教育を受講しましょう。
資格が不要な場合とは
一方で、電動チェンソーの使用において資格が不要なのは、「個人的な目的で使用する場合」です。趣味のDIYや家庭の庭木の手入れ、キャンプで使うための薪割りなど、個人的な目的でチェンソーを使用する場合は、特別教育を受講する必要がありません。
ただし、資格が不要だからといって、安全に配慮する必要がないわけではありません。チェンソーは非常に危険な工具であり、使い方を間違えると重大な事故につながる可能性があります。そのため、使用前に取扱説明書をよく読み、適切な防護具(ヘルメット・保護メガネ・手袋・防護服など)を着用することが重要です。
また、定期的にメンテナンスを行い、常に安全な状態で使用するよう心がけましょう。
[関連記事]
→手作業用の農具から大型機械まで、農業にかかわる道具一覧
チェンソーの資格取得には何日かかる?難しい?

チェンソーを業務で使用する場合は、労働安全衛生法に基づく「特別教育」の受講が義務付けられています。この特別授業の期間や難易度はどれくらいなのでしょうか?
受講時間
特別教育の一般的な受講時間は、学科(座学)と実技を合わせて合計18時間とされています。具体的な内訳は以下の通りです。
[学科講習(9時間)]
・伐木等作業に関する知識:4時間
・チェンソーに関する知識:2時間
・振動障害およびその予防に関する知識:2時間
・関係法令:1時間
[実技講習(9時間)]
・伐木等の方法:5時間
・チェンソーの操作:2時間
・チェンソーの点検および整備:2時間
これらの講習は、通常2~3日にわたって実施されます。ただし、改正前の2020年8月1日以前に特別授業(大径伐木等)を修了している場合は、一部の科目が免除される、免除コースが用意されています。
難易度は?
特別教育は、チェンソーを安全に扱うための基礎知識と技術を習得することを目的としています。そのため、内容は実務に直結したものであり、特別な学力や高度な技術を要するものではありません。講習は専門の講師によって丁寧に指導されるため、初めてチェンソーを扱う方でも理解しやすい内容となっています。
[おすすめ記事]
→農業新規参入!脱サラ農業への道のり
チェンソーに関するよくある質問

業務内でチェンソーを使用する際に受講が必要となる「特別教育」に関するよくある質問「特別教育の正式名称」「受講にかかる費用」「受講にあたっての資格」この3つについて解説していきます。
チェンソーの資格の正式名称は?
業務でチェンソーを使用する際に必要な資格の正式名称は、「伐木等の業務に係る特別教育」になります。これは、労働安全衛生法に基づき、チェンソーを用いた伐木作業などの業務に携わる人が受講しなければいけません。
この特別教育を修了することで、安全にチェンソーを操作するための知識と技術を習得したと認められ、業務で使用することが可能になります。
チェンソーの講習の費用はいくらくらい?
特別教育の講習費用は、実施機関や地域、コース内容によって異なりますが、一般的な相場は15,000円~25,000円程度です。この費用には、受講料・テキスト代・実技で使用する機材のレンタル代・修了証の発行料金などが含まれていることが多いです。特別教育の受講方法は、講習機関で受講・自社内で受講・web受講(学科講習のみ)、の3種類あります。費用を抑えたい場合は、事前に比較検討することをお勧めします。
チェンソーの講習の受講資格は?
「伐木等の業務に係る特別教育」を受講するために必要な資格はありません。
性別や年齢に関係なく、チェンソーを安全に使用するための知識と技術を身につけたい方は、誰でも受講することが可能です。
ただし、講習には実技も含まれているため、体力や健康状態に不安がある場合は注意が必要です。
まとめ
今回は、電動チェンソーの使用に資格は必要なのか解説してきました。
電動チェンソーを使用する際に資格が必要かどうかは、業務で使用するか個人で使用するかで異なります。業務で使用する場合は、特別教育の受講が義務付けられています。
一方でDIYや庭の手入れなど、個人的な目的で使用する場合は、受講は必要ありません。しかし、安全への配慮は怠らないように注意しましょう。
特別教育の受講時間は学科・実技合わせて18時間で、2~3日かけて行われます。ただし、2020年8月1日以前に大径伐木等を修了している方は、一部の科目が免除されるコースがあります。
特別教育の正式名称は「伐木等の業務に係る特別教育」です。講習費用は実施機関や地域によって異なりますが、相場は15,000円~25,000円程度となります。受講するにあたって必要な資格などはありません。また、性別や年齢に関係なく誰でも受講することが可能です。